日本人の8割がかかっているという歯周病。えっ、8割も?と思うのは、自分が歯周病と思っていない人があまりにも多いからです。そんな歯周病について、歯学博士・歯科医の岩佐俊明先生からお話をうかがいました。
もう1つ驚きなのは、私たちが歯を失う原因の1位は、虫歯ではなく、実は、歯周病なのだそうです。
虫歯のように、歯が痛むという症状がなく、最初はときどき歯茎が腫れる程度。気づきにくいため、ほうっておくと知らない間に進行してしまう、サイレントキラー!そしてある日突然、歯がグラッときて、健康な歯でも抜けてしまうことがあるといいます。何てもったいないのでしょう。
さらに、歯周病の菌が全身にまわると、肺炎や脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、リウマチ、認知症その他、全身のさまざまな疾患を引き起こすことも、数年前に判明しました。これらの話を聞くと、やはり虫歯以上に怖い病気だということがわかりますね。
歯周病の予防には、歯の磨き方の徹底した見直しと、必ず定期的に歯の検診を行うこと。「歯を磨いているのと、磨けているのは全く違いますよ」と先生も声を大にしておっしゃっていました。普段から歯医者でも注意されてはいたものの、セミナーで実際に歯周病の怖さを目の当たりにして、これをきっかけに、さっそく歯医者に行く気になった人も多くいました。
第2部では、ポジティブシニア研究所の谷敏一が「口とのどから考えるフレイル予防」の話をしました。私たちの体の筋肉は40代以降、急激に落ち始めるため、正しい食事(栄養)と運動で、きちんと筋肉をつけるようにしなくては、キープできません。
手や足だけの話ではなく、口やのども、同じく筋肉でできているため、加齢でどんどん衰えます。しかも歯周病や虫歯その他、お口の不具合があるとなおさらです。きちんと噛めなくなって、栄養不足になり、一気に「オーラルフレイル」が進みます。また、声が出にくくなる、舌がまわりにくくなる、むせたり、飲み込みづらくなると、誤嚥性肺炎になる人も増えてしまいます。
そこで、毎日行いたいのが「口やのどの体操、首や肩の体操」です。オーラルフレイルの予防や改善のための体操を、今回もポジティブシニア会の大森公子が紹介しました。先月は足のスクワットでしたが、今回はまた違う、口やのどの体操です。これを続けると、顔の表情筋も元気になって、ほうれい線やしわも伸びるそうですよ。最後にみんなで一緒に大きな声を出して行い、すっきりした気分になって終了しました。