シニアが最もなりたくない病気の第1位は『認知症』。その理由は「なったらもう治らないから」。でもそう決めつける前に、まずは正しい知識や最新情報を知りたいですね。そこで、脳神経外科医&都立大石森脳神経外科の院長・石森久嗣先生にご登壇いただき、お話をうかがいました。
すると、老化によるもの忘れと、認知症のもの忘れは違うこと。また「なったらもう治らない」というのは間違いで、「MCI(軽度認知障害)」の段階や、認知症の初期段階であれば、改善し、健康な状態に戻ることも可能。ただそのためには、他の病気と同様、いち早く兆候に気づき、医療機関で適切な治療を開始することが大事だとか。
さらに、“認知症は予防できる”そうです。脳を活性化させる食事や運動習慣など、生活習慣の見直しをはじめ、「今日のように、みんなが集まる場所に積極的に出かけていく。まさにこういうことも予防になるんですよ」と石森先生もおっしゃっていました。
続く第2部は、ポジティブシニア会のメンバーでポジティブシニア研究所の谷敏一が、「フレイル予防について」お話しました。フレイルは要介護の手前の段階。要介護状態になると、健康寿命が尽きて、自分で自由に行きたいところに出かけられなくなってしまいます。そうならないためにも、3つの鍵「食事」「運動」「社会参加」で予防が必要です。認知症の予防もフレイルの予防も、重なる点が多々あることに気づかされます。
お話のあとは、2種類の運動をご紹介しました。1つは、ポジティブシニア会のメンバー大森公子(元体育教師)による「筋肉をキープし、フレイルを予防する運動」。もう1つは、この日のスペシャルゲスト、ダンスの振付師&指導者、認知症指導士の早川嘉一郎さん考案の「脳トレリズム体操」です。”脳のワーキングメモリを向上させる”効果があると聞き、さっそくみんなで早川さんの動きを真似て手を動かしました。一見単純そうな動きですが、やってみると案外むずかしく(汗)、途中で動きが止まったり、左右逆になったり(笑)。なるほどこれは”脳トレ”によさそう。ぜひ覚えて自宅でも習慣にしたいですね。
この日は40代から90代まで、幅広い年代のみなさんが参加されました。しっかり学び、楽しく体も動かしたことで、脳も体もおおいに活性化した2時間半でした。